私は、ずっと気づかなかった。
何が起きたんだ?ん???とか、ずっとりかいできてなかったが。

唇に。柔らかいもの。…。

「あー!私のファースト!!」

と、叫んでしまった。

ちょうど、まさ君も教室にいて。
最悪だ…。
でも、泣きそうになった自分を泣かせないように。
泣くな。泣くな。と、言い聞かせたけど。
涙が溢れでてきて。あぁ、初日から最悪。

と、思っていたら。

「そんな、泣かなくてもいいんじゃない?」
と、まさ君が声をかけてきた。

私は、つい。「は?」と、言ってしまった。

泣くよ。好きなのはあなたなのに、好きじゃないやつにあなたの前でキスされたんだから…。

私は、もう耐えきれなくて、教室から出て行った。

誰かが追いかけてきてくれてる。だれだろう。

まさ君だったらいいなぁ。と思った。だけどそれはちがくて。

さっき友達になったばっかりの里菜だ。

なんで、長年ずっといる人が追いかけてくれなくて。
さっき出会った人が追いかけてきてくれるんだろう。
と、思った瞬間。

「あのね!大変なの!!と、焦っていた。」

「ど、どうしたの!?」

と、聞いたら。里菜は、涙目に。なにか恐ろしいものを見たような目で。
それを、私に移すような感じで私をじっと見つめた。

「まさ君って人が。筒井君を殴った!!」

と言った。きっと、さっきの人は筒井という名前なのだろう。