「はい、これ」
やっぱり、一般的に見れば綺麗だって言われるタイプの人だ。
「いいんですか」
「はい、あなたのために買ったので」
多分、学校以外の場所でも相手を見つけようとすれば、そう苦労せずに俺よりもいい人が見つかる。
そして多分、それは本人も自覚してる。
綺麗だって言われてんのは今に始まったことじゃないだろうから、学生の時から相手に不自由はしなかっただろう。
「…あの」
「何ですか?」
「他、探した方がいいですよ」
無理じゃねぇかな。
多分これからもずっと。
「…他、っていうのは?」
「俺以外の相手ってことですけど」
正々堂々来られるとさ、申し訳なくなるんだよ。俺はその気持ちに答える気はないから。



