『んー…?…蓮くん…?』

「うん、迎えに来た。帰ろう?」

『…んふふ、蓮くんだー…』

もうダメだ。

こんな甘ったるい姿、他の誰にも見せないでよ。頼むから。


「じゃあ、連れて帰るね」

ふらふらで立てない茉央ちゃんをおぶって、個室から出る。

驚きで声も出なかった子もいたみたいで、俺が部屋から出ると途端に騒ぎ出す声が聞こえてきた。

まじで!なんて聞こえてくるけど、どうやら何人かいた男達は会話についていけてないみたいだった。

てことは、やっぱり合コン?

俺のこと知らないみたいだったし、今盛り上がってるのは女子だけみたいだし、男子はうちの高校の生徒じゃなかったってことになるよね。


…合コン、ね。

茉央ちゃんに触ってた男を思い出すだけで、笑えないくらいムカつく。

触っていいの、俺だけでしょ?

茉央ちゃん、無防備過ぎ。