茉央ちゃんを触ってた男の手を掴んだ。

その場にいた全員が何が何だか分からない状態で。女の子は、何で蓮くんが?なんて聞いてくる。

何で?

俺がこの子の彼氏だから。

「この子、俺のだから」

気安く触んなよ。


「ごめん、連れて帰るね」

「えっ、ちょっと待って!蓮くん、茉央と付き合ってるのっ?」

興奮気味に聞いてきたその子は、確かに見たことのある女の子だった。

だけど多分、俺が受け持ってたクラスの子達じゃなくて、茉央ちゃんが1年か2年の時に同じクラスだった子達なんじゃないかな。


「うん、付き合ってる」

もう隠す必要もないし、隠してこんなことになるくらいなら堂々と交際宣言くらいするよ。

「茉央ちゃん、帰るよ」

広まればいい。

そしたら多分さ、もう二度とこんな場に誘わないよね。