茉央ちゃんが酔っ払って潰れても、俺に連絡は来ないってことだ。
思わずため息が出た。
隣にいた中村先生はそれを見て笑ってて、大変ですね、なんて言う。
「せめて連絡くれたらこんなに心配せずに済むんですけどね」
過保護なのは分かってるよ。
そんなの、ずっと前に認めた。
茉央ちゃんに対して過保護なのは、きっとこれからもずっと変わらないって。
「多分大丈夫ですよ。まーまず浮気は絶対ないと思いますし」
ニヤニヤしながら言う中村先生は、やっぱりどこかこの状況を楽しんでるように見える。
「また他人事だと思って」
「あいつ無自覚で人を振り回すタイプの女ですからね。見てて面白いですよ、当事者は俺じゃないし」
「それ、現役教師の言葉とは思えないですけどね」
この人はどこか学生みたいな雰囲気がある。そのくせ、急にその雰囲気が消えることもあるから不思議だ。
白城くんが気にいるわけだ。



