「友達とご飯食べに行くって言ってたんだけど、連絡つかないから。もしかしたら高橋さんと一緒かなって思って」
『あぁ、そういうこと。一緒じゃないけど、俺らからも連絡してみるわ』
「うん、ありがとう」
切れた電話を見て、俺の中ではもう選択肢が1つしかないことに少し気が沈む。
「あとは、加地とか?」
「ですよね」
高橋さんも白城くんも違うなら、俺が知ってる限りではもう加地くんしかいない。
今はもう俺の彼女だって分かってるけど、加地くんと2人きりかもしれないと考えたら少しだけ嫌になる。
我ながら器が小さいと思う。
ただご飯を食べに行ってるだけなのに。
とにかく加地くんに連絡しよう。
もしかしたら一緒にいるのは俺が知らない茉央ちゃんの友達かもしれない。
加地くんの番号をタップすると、加地くんはすぐに電話に出た。



