「ほんと、ごめんね」

「うん、もういいよ」

抱きしめたまま蓮くんは、あたしの頭をポンポンと撫でる。

「蓮くん、目閉じて?」

「何で?」

「服着るから。今日デートする約束だったでしょ?」

初めて見せたわけじゃないとはいえ、堂々と目の前で着替えられるほど慣れてるわけじゃない。

だからそういう意味で言ったんだけど、蓮くんは少し体を離してあたしと目を合わせて言った。


「…んふふ、イヤ」

「え?」

「俺昨日あれだけ我慢したんだよ?茉央ちゃんが嫌って言っても、もう限界。とめらんないね」

可愛く笑うくせに。

あたしを見つめる目は男の人だった。

抱きしめられていた身体は、いとも簡単にベッドへと沈んで、蓮くんの唇があたしのそれを塞いだ。