「すげー際どい格好で寝てたし、何か知らないけど触ってるやついたし」

いつもはあんなに可愛い顔で笑うのに、あたしの頬を両手で挟んでる蓮くんは可愛さのカケラもない、男の顔をしていた。

「無防備すぎだよ」

そうだよね。

いくら連絡先を教えるのをかわすためとはいえ、男の人がいるところで寝てしまうくらいお酒を飲むのはね。


「…ごめんね」

忘れてたけどあたし昨日スカート履いて行ってたんだった。

そんな格好で無防備に寝転んでしまうなんて。いくら好みじゃない女の子だったとしても、男の人は気になるだろう。


「…分かったならもういいよ」

両頬にあった手は、あたしの頭をポンと撫でて。いつもみたいにふにゃんと笑ってくれた。


「デート、どうする?」

きっとほんとはもっと言いたいことも思うこともあるのに、これ以上責めることはしないんだろうな。

「…ほんとに、もう怒ってない?」