「前に比べたら、大分落ち着いたかな」

「そっかぁ、よかった」

「あ、戻ってきた」

中村先生の手をグイグイ引っ張ってくる白城くんは、あたしたちに向かって大きく手を振る。

「うわ、見てあの中村さんのダルそうな顔。どこのヤンキーだろうね」

「白城くん、最近は結構頻繁に来てるみたいだし、またかよって思ってるんじゃない?」


実際、少し聞こえてくる会話の端々には「お前暇なの」なんて声が。

暇っていうか、白城くんは中村先生のことが大好きなだけなんだけどね。

お節介な親戚みたいに、将来一緒にいてくれる相手がいるのかこそこそ気にするくらいだし。

「うわ、勢揃いかよ」

「まだ勢揃いじゃないだろ、今日は加地来てねーもん。」

「はいはい分かったって、分かったから手放せ暑苦しいな」