｢だって考えてみろよ。中村さんのあのスペックで彼女が出来ない理由が分かんねぇだろ？｣

｢それはまぁ、確かに｣

｢だろー？でも下手したら一生独り身じゃん、あの人。もったいねぇよ。｣

あたしは茉央と中学の時から友達で、あの子がどんな性格か知ってるから放っておくことは出来なかった。

多分、白城くんにもそれは分かってたんだと思う。茉央のことで相談するのは、いつだって白城くんだった。

それがいつからだったかなんて、そんなことは覚えていないけど。


｢白城くんってさ、一度友達になった人のことは絶対放っておけないよね｣

中村先生のこともそうだけど、加地くんや篠原先生のことも。

茉央が絡んでるとはいえ、あんなに真剣に考えてる白城くんを見たのは初めでだった気がする。

｢そうか？つーか、んなこと言ったら梨花も一緒じゃん、そこは｣

｢あたし？｣