あたしたちが学生の時から中村さんには女の影なんてなかったし。

それに卒業してもこんなに仲が良くて、結婚式にまで呼んでもらえるなんて高校生の時は思ってなかったんだよね。

もちろん、シロと梨花の結婚式にも中村さんと吉野先生は来る。

不思議な関係だよね。


「茉央ちゃん、春寝たよ」

「んふふ、蓮くんの腕は安心するのかな」

「篠原先生が抱っこするとすぐ寝るよね、春」

「蓮くん大好きだからね、春は」

ぐずること自体そんなにないし、こうして蓮くんが抱っこすると最初はキャッキャ言いながら元気に蓮くんの腕の中で暴れてるけど、数分すると寝ちゃうんだもんね。


「最近蓮くん忙しかったから寂しかったのかもね」

「帰ってきたら春寝てたもんね」

「そんなに忙しかったんだ、蓮くん」

「うん、この前体育祭あったし」

だからかな。

こうして休みになると春の傍を離れない。

蓮くんもあたしと並ぶ親バカだもんね。


「そっか、そんな時期かー」

「この前一緒に文化祭行ったのにね」

「そうそう、梨花と2人で行ったけど蓮くんも中村さんも忙しそうだったし」