この人がこうして当たり前みたいに隣にいてくれることも。

ふにゃんとした笑顔がそばにあることも。

もしかしたら、大好きな人との子供がここにいるかもしれないことも。

全部全部夢みたいに幸せなことで、たまに怖くなるんだ。


「これからまだまだ幸せになるよ」

「まだまだ?」

「うん、約束したからね」

蓮くんの左手の薬指にキラリと光るもの。あたしの左手の薬指にも同じものがあって、手を繋ぐたびに感じるその感触にまた幸せだと感じる。

十分幸せだよ、あたし。

「プロポーズしたとき、言ったでしょ。まだまだ幸せにするから、こんなので満足しないでって」


だけどきっとね、これからもあなたは隣にいてくれるから。

「茉央ちゃんはまだまだこれからもっと幸せになるんだからさ」

「あはは、そうなの?」

「うん、だってさ」

それだけで幸せ、なんて。


「隣にこれだけ茉央ちゃんのこと愛してる男がいるんだから」

敵わないなぁ、蓮くんには。

「幸せにならないわけないよ」

自信満々に言ってのけるんだから。

その宣言通り、これからもっとあなたに幸せにしてもらいましょう。

-END-