｢あ、そういえばさ、今日加地くんが彼女と学校まで来てくれたよ。これ茉央ちゃんと俺にって｣

なかなか話出さないあたしに、蓮くんは思い出したようにカバンからそれを取り出してあたしに渡す。

｢アルバム？｣

｢うん、結婚式の時の写真。色んな人から集めてくれて、彼女さんが作ってくれたんだって｣

加地くんには可愛い彼女が出来た。

多分もうすぐそれも１年くらいになるんじゃないかな。結婚式が終わってしばらくして紹介されたのをよく覚えてる。


｢そっか、何かお礼しなきゃね｣

パラパラとめくると、それはきっと作るのに時間がかかっただろうな、と思うような素敵なものだった。

加地くんはあの彼女さんのことを干物女だなんて言ってたけど、器用でセンスのある素敵な人だと思う。

今日このアルバムを見てそれを改めて思った。あたしも会いたかったな、なんて。


｢懐かしいね｣

｢んふふ、まだ１年しか経ってないけど｣

｢もう１年前だよ｣