「加地くん会社で得に仲良い女の子って言ったらあたしになるでしょ?」
「自分で言うんじゃんねーよ」
なんて俺の言葉なんて聞こえてないみたいに話を続ける高野にイラついたのは今に始まったことじゃないしスルーしてやろう。
「だからさ、加地くんの連絡先教えてってよく言われるんだよね。おかしいよ、あたし加地くんの連絡先知らないのに」
「え?知らないの?」
驚いたように俺を見る白城。
お互い連絡先は交換してない。
聞かれなかったっていうのもあるけど、正直連絡先を知らなくて困ったことが一度もないっていうのが一番の理由だ。
こいつの家に飲みに行く機会は結構頻繁にあるけど、「今日行くわ」 「おっけー」で会話が終わって、約束が取り付けられたことになるからだ。
正直変な関係だとは思う。
「困ったことないもんね」
「ない」
「ちょっと遅れるときとか、連絡どうすんの?」
「俺が遅れて行こうが、こいつ気にせず一人で飲んでるし。わざわざ連絡いらねぇじゃん」
「何だよそれ、すげーな」
高野が女子社員に俺の連絡先を聞かれるっていうのは今初めて知ったけど。
「あ、でもあたし一度だけ連絡先知っとけば良かったって思ったときあったんだよね」
「は?いつ?」



