「のんびりした子が産まれるんだろうね」

「んふふ、のんびり?」

「蓮くんみたいにマイペースで、サラッと何でもこなしちゃうような子」

さっきまで照れてた茉央ちゃんはもういなくて、嬉しそうに話してる。

「可愛いね、きっと」

今はそうやって嬉しそうに話す茉央ちゃんが一番可愛いけどね。


「…あ、あれって…」

嬉しそうに頬を緩ませてた茉央ちゃんが、何かを見つけて指差す。

急にどうしたんだろう、なんて思いながら茉央ちゃんが指差す先を見て、思わず笑ってしまった。


「見つかっちゃったみたいだね」

「中村さんの顔見て、すごい」

多分、俺の代わりに後処理をやってくれた後なんだろう。

ポケットに手を入れてる中村先生の腕を吉野先生がちょこんと掴んでた。

きっとそれは誰がどう見ても、クリスマスにデートしてるカップルだ。

そしてその2人を囲んでるのは多分うちの生徒で、さっきみたいに大勢いる。でも多分さっきとは違う集団。

下手したら俺らも見つかるな。