「俺らの子供が出来たら多分、あんな風に接するんだろうなって思った」

子供が好きなんだろうなって、聞かなくても分かったくらい。

「…気が早いなぁ、蓮くん」

ポツリと言った茉央ちゃんは俯いた。

髪の隙間から見える耳も頬も真っ赤だけど、それが寒さからくるものなのか照れからくるものなのかは分からない。

でも多分、照れてるんだよね。


だってその証拠にほら

「んふふ、こっち見てよ」

立ち止まって顔を覗き込んでも、目をギュッと瞑って顔をそらされた。

「…ダメ、想像しちゃった」

「いいじゃん、聞かせてよ」

俺だってたまに想像するよ。

仕事が終わって家に帰ったら、茉央ちゃんと子供が笑顔で出迎えてくれるとこ。

それが現実になればって、ずっと考えてること、知ってる?


「蓮くんに似たらモテモテだね」

「茉央ちゃんに似たって一緒だよ」

将来のことを当たり前に話せるって嬉しいね。これから先があるのが当たり前だって思ってくれてるんだよね。