「茉央ちゃん、大丈夫だよ」
「え?」
「俺がもっと幸せにしてあげるから」
こんな風にあの時とメンバーで集まれて、思い出した。
楽しくて、あっという間だったことを。
だから今こんなに寂しい。
「まだ満足しないでね。これから一生かけて、茉央ちゃんのこともっともっと幸せにするから」
「せんせ…」
「不安になったら何回だってそれを取り除いてあげる」
海の近くまで来ると、蓮くんはあたしを砂浜に降ろして隣に座った。
月の光が海に反射して、キラキラ光ってすごく綺麗だった。
仕事するようになって、会える時間が減って考えてしまった。
いつかみんなとこうやって集まれる機会もなくなって、学生の頃のことを少しずつ忘れていくのかなって。
「大丈夫、きっとみんな同じだよ」
「同じ?」
「卒業して教師を含めてこんなに仲良いの、珍しいと思うし。多分ずっと変わんないんじゃないかな」