「あっ、理乃だー!」そう叫ぶのは今年同じクラスの女子、横原百合(よこはらゆり)だ。同じバレー部で、仲のいい。親友と言っても過言じゃない。
「ごめん!遅れた!」走ったが、息は切れないし、疲れは無い。
「いやー、朝から走るなんて、理乃はやっぱ違うね」百合が言った。
それと同時に私たちは歩き出した。
「どーゆー意味かな?」笑顔で答える。
「そのまんまー」こっちを見ずに、そのまま歩く。
「あっ、そういえばさー!」百合が話を切り出した。
「昨日なんかあった?」私の顔を覗き込むようにして聞いた。
昨日…?特に覚えは無い。
「別に無いけど、なんで?」
「ふーん、ならいいや。今日なんかあるかもね?」百合はいつも話を勿体振る。
「理乃に関係あるの?」なんかありそうだから質問してみた。
「うん、大有りだよ?」こっちを見て笑顔で答えた。
百合の笑顔にはなんか引き込まれそうな魅力があって、一番好き。