「濱田先輩でしょ?」「うん」
百合は全てを知っているように問いかける。理乃の全てを透視しているように。

「まあ何があったか知らないけど」
「う、うん」「いいね、理乃は!」
急にため息をついた百合。どうしたのだろう。

「なんも良くないよ?」いい事なんてひとつもない。
「うちもさ好きな人いたんだよ?」
「うん、知ってる。ちりゅうでしょ?」
「告白したけど、振られてさ。彼女いるからって」そうなのだ。百合はあのちりゅうの事を好きになったのだ。
「でも、ちりゅう、バスケ部から好かれてはないらしいよ?」私がそう言うと百合はムスッとした顔でこっちを見た。
「うちは好きだった!」なにを堂々と宣言しちゃってるんだ、百合は。