深愛なる君へ、この愛を捧げます。





理人は目を覚ましてから、日海に会っていない。




私はすぐに日海に会わせようとしたけど、理人が『もう少し回復してから、会いたい』と言ったから、日海には待ってもらっていた。




会いたい会いたいってすごく駄々をこねられたけど。




そして8月10日、日海の誕生日である今日に理人は日海と初対面することになっている。




「緊張してるってのもあるけど、怖いっていうのもあるな。
今まで目を覚まさずに、ずっと父親らしいこと何一つ出来なかったから、何言われるのか怖い。


俺を父親として受け入れてくれるのか、どんな目で俺を見るのか怖い」




理人は握り締めている手を見つめるようにして、俯いた。




ここで何か不安を取り除くようなことを言えばいいんだろうけど、それは日海と会うまで言わない方がいいよね。




今言ってしまったら楽しみがなくなっちゃうし。




だから今言えるのは。




「…大丈夫よ。大丈夫」




そう言って理人の手を握ることくらい。




「…なんだよ、それ。励ましになってないんですけど?」




理人は訳分からないという感じで肩を竦めて笑う。
教えてくれてもいいだろ、理人がそう言うから私は…




「…だから大丈夫だよ」




と答えになってない答えを言って、満面の笑みを浮かべた。