深愛なる君へ、この愛を捧げます。

黙々とサンドイッチを食べていると、必要以上話さないお義母さんが口を開いた。




「今日のプール参観はどうだったんだい？
…まぁ、そのびしょ濡れの姿を見れば一目瞭然だけどね」


「…ははは…」




それを言われてしまうと、苦笑いしか出来ない。




私は今日撮ったスマホの写真をお義母さんに見せた。
自分もスマホを使っているお義母さんは慣れた手つきで、写真を見ていく。




そんなお義母さんを見ながら、サンドイッチを頬張る。




「…日海、楽しそうじゃないか」




お義母さんは写真を見ながら、普段は見せない笑みを浮かべている。
やっぱり孫は可愛いんだろうな。




「しかし最近の参観日ってのは、母親だけじゃなく父親も来るんだねぇ」




お義母さんは写真の隅に写っていた我が子と楽しそうに遊ぶ父親をアップにして、私に見せてきた。




「そうですね。
私もそう思って帰りに保育士さんに聞いてみたら、『夫婦で来られる方ももちろん多くいらっしゃいますが、最近はわざわざ仕事を休みとってお父さんだけ来るのが増えてるんです』って言ってましたよ」




保育士さん曰く、父親が参観に来ている間、母親に家で休んでもらったり自分のことをやってもらったりと母親の自由な時間を与えているのではとのことだった。