ま、負けた。


ありえない。


私が奏に負けるなんて。


しかも、満点ってどういうこと?


不良のくせに!


こんなの反則じゃない?



「中学ん頃は、問題解くのが面倒だったから手ぇ抜いてたんだ。けど、これからは全力で解くから」



奴は私の隣に立って、そんなことを堂々と言ってのけた。



め、面倒くさいから手を抜いてたぁ……?


なんなの。


ふざけてるわけ?


ありえないよ。


こんな奴に負けるなんて。


しかも、ロクに勉強もしてないような奴にだよ?



「秀才が好きなんだよな?俺、これからもさくらには負けねーから」



「なっ。今回はまぐれに決まってるでしょ!私は認めないんだからね」



私はその場から走り去った。