じゃあ、なんの為に来たの?


わけがわからずにそっと湯船から出た。


いったいなんだったんだろう。


倒れてるんじゃないかって……心配、してくれたってこと?



なによ。


優しさを見せられたら、調子狂うじゃん。



複雑な気持ちのまま頭と体を洗ってお風呂から出た。


そして、ドライヤーで髪を乾かしてから部屋へ向かう。



だけど、奏はベッドがある部屋にはいなかった。


きっと隣の部屋にいるんだろう。



ホッとしながら勉強机の前に座り、引き出しを開けた。



そこには1枚の色紙があって、見ないようにしても自然と目が行く。



『高校が離れても友達だよ!絶対遊ぼうね』


『明るくて笑顔が素敵な可愛いさくちゃんが大好きだよー!卒業しても、忘れないでね』


『大好きなさくちゃんの笑顔に、いつも癒されてました!新しい場所でもお互い頑張ろうね!』


『桐山はいつも笑顔で俺らのマドンナでしたっ!遠くに行っても元気でな』



……ううっ。


みんな。



クラスメイト達からのメッセージに胸が熱くなる。