2人で歩いていると、色んな人からの注目の的になる。


こんなのは中学の時から慣れっこだけど、ヤンキーたちに注目されてるとなると話は別だ。



ガ、ガン飛ばされてるし〜!


怖いんですけどー!


だけど、愛佳ちゃんが言ってた桐生奏が強いというのは本当みたいで。


今までこわーい先輩たちに呼び出されて教室を出て行った時、ヘラヘラ笑いながら何事もなかったように無傷で帰って来た。


それが何回も続いたから、今はもう奴に挑もうなんていう先輩はいないんだとか。



桐生奏が歩けば、同級生はみんな道を開ける。


先輩からは一目置かれ、同級生からは恐れられている存在。



「どれがいい?」



「フルーツジュースくださーい」



ヘラッと笑って声をかけて来た奴をスルーし、売店のおばちゃんに声をかける。