「そろそろ自分の部屋に帰ったら?お仲間がたくさんいるんだからさ」



私に構わず、そっちと仲良くしてればいいじゃん。


私は……絶対に好きになんてならないから。


周りに群がって来たケイやオレンジを見やったあと、机にかけていたカバンを持って立ち上がった。



「じゃあね」



「待てよ、相変わらず冷てーな」



「ついてこないで」



「ムリ」



「…………」



しつこい。


本当にしつこすぎる。


どれだけ冷たくしても、奴には悪意や嫌悪感が伝わらない。


それどころか、冷たくすればするほどヘラヘラして私に接して来る。


それは、頭のネジが緩んでるんじゃないかと思うほどに。



「あー、腹減ったー。売店寄ってこうぜ」



階段に差し掛かった時、奴が私の手を取って売店の方へ引っ張った。



「そういえば……喉渇いたかも」



言われるがままに行くのはなんだか気に食わないけど、甘い物が飲みたくなって来た。