怖いとか恐怖を感じるというよりも、カリスマ性があるというか。
遠い存在に思えた。
「さくら……テメー」
桐生奏はズカズカやって来ると、眉間にシワを寄せて鋭く私を睨んだ。
周りにいたヤンキーたちは、誰もがその光景を息を飲んで見守っている。
「なんで先に行ってんだよ!?」
「いくら起こしても起きなかったのはそっちじゃん!」
「だからって、先に行くことねーだろ?」
「別にいいじゃん。一緒に行く約束なんてしてなかったし」
「良くねーよ!」
「…………」
桐生奏はどうやら相当怒っている。
だけど、全然怖くない。
むしろ、怒りたいのはこっちの方なんだけど。
勝手に部屋に入って来られて、一緒に寝かされて。
挙句の果てにはそばにいてやる?
なんでそんなに上からなのよ!
周囲にどよめきが起こる。
きっと、私と奴に接点があったなんてみんなは思ってなかったんだろう。



