だからといって平凡だったわけでもなく。
運動をすれば簡単にこなせたし、テストでは常に1位の座をキープしていて……勉強には誰よりも自信があった。
母親譲りの手足が長いモデル体型も、フワッとした栗色の背中まで伸びた髪も。
全部が全部、誇らしかったのに。
ギリッと唇を噛み締める。
受験当日、風邪を引いて熱さえ出ていなかったら……。
ずっと目指していた県内一の進学校に、合格出来ていたはずだった。
熱でボーッとしていたせいで本領が発揮出来ず、補欠合格すらしなかった。
信じられなかったのとショックだったのとで、合否の掲示板の前からしばらく動けなくて。
うそだ。
そんなはずはないって。
何度も何度も確かめたけど、何度見てもそこに私の番号はなかった。



