本当に大バカ。
「何とか言ったらどうなんだ?お前は今日を持ってこの学園を退学だ。これからは、俺の言う通りに生きてもらう」
そ、そんなっ。
退学だなんて。
私は思わず立ち上がっていた。
そして、何の考えもなしに校長室のドアに手をかける。
「俺、悪いことしたなんて思ってねーから」
「なっ」
奏の言葉に手が止まった。
「好きな女と一緒にいたいって思うことは、悪いことなのかよ?好きで好きでたまらねーんだよ。片時も離れたくなかったんだ。それのどこが悪いんだよ?」
奏の想いに胸が熱くなる。
そこまで想ってくれていたなんて。
「お前、校則破ったことを正当化するつもりか?好きなら、その子のために問題を起こさないようにするのが男ってもんだろ?感情だけで動くなんて、まだまだガキだという証拠だ」
「うっせえ、俺はガキじゃねー。さくらが好きなだけだ」
「それがガキだという証拠だ。己の欲望をガマンしてこそ、立派な男っていうもんなんだよ」
おじさんの方が一枚上手で、あの奏が押されている。
それはおじさんの落ち着いた声を聞いていれば、誰にも明らかだった。



