「いや、そういうわけにはいきません。コイツにはキツく言い聞かせてあったので。お前の好きな女に対する気持ちは、その程度だったってことだろ?校則を破るなんて言語道断だ」
「き、桐生さん。落ち着いて下さい……」
校長先生は終始低姿勢だった。
奏もまた、ひとことも喋ることなく黙っている様子。
「ね、ねぇ。どういうこと?意味がわからないんだけど」
小声でケイに訊ねる。
「そっか。さっくは知らないんだっけ?奏は日本でも総資産額がトップクラスに入る桐生グループの御曹司なんだ」
えっ……!?
な、なにそれ。
「明倫学園の入学を蹴った時、何かあるんだろうなぁって思ってたけど。まさか、さっくのためにここに来たとはな」
か、奏。
どうして私なんかのために……。
バカだよ。



