で、でも、奏だけが呼び出されるのはおかしい。
それなら私も一緒に呼び出されてもおかしくないはず。
「いや、うん。まぁ、ちょっとな。お父さんがお見えだから」
歯切れ悪く言った先生の言葉に、奏の眉がピクッと動いた。
そして、あからさまに顔をしかめて嫌そうにしてみせる。
「ちっ、マジかよ」
頭を抱える奏を見て、不安に押し潰されそうな気持ちでいっぱいになる。
「ダリーな」
はぁと大きくため息を吐いたあと、体育館がある方とは反対側に歩き出した奏。
「か、奏……!」
心配になって、そんな奏の後を小走りで追いかけた。
「さくら、何も心配すんな。俺は大丈夫だから」
ーーポンッ
不安な私の頭を軽く撫でると、奏は口元を緩めて軽く笑った。



