「奏のことを諦めても、翔だけは絶対好きにならねーだろ」
本間君が冷静に淡々とつぶやいた。
その言葉にみんなが大きく頷いている。
もちろん私も。
「なんだとー?わかんねーだろ、んなこと。俺だって彼女欲しーんだよ!奏ばっかモテやがって!」
泣きマネをし始めた秋道君を、みんながシラけた目で見やる。
なんだかかわいそうな役どころだな。
それからあっという間に放課後になった。
「さくら、帰るぞ」
「あ、ちょっと図書室に寄っていい?」
「あー、なら俺は購買寄ってから直で部屋行くわ」
購買は食堂の隣にある。
図書室は1年棟の3階だから、少し場所が離れている。
「うん、わかった。じゃあね」
私は教室を出ると一目散に図書室に向かった。



