「ま、いーや。そのうち、さくらの方から『めちゃくちゃにして』って言わせてやる」
奏は私の上から退きながらクスッと笑った。
「なななな、何言ってんの……っ!バカじゃない」
「バカじゃねーし。言わせてみせるから覚悟しとけよ?」
「……っ」
奏の言葉に真っ赤になる私は、本当に奴の思うように操作されてしまっている。
とんだ奏バカになったもんだよね、私も。
それも悪くないと思えるんだから、本当に救いようがない。
まぁ、間違ってもそんなことは言わないけどね?
「そういや、夏休みはどうすんだ?」
「え?」
ベッドに腰掛けた奏が、未だ横になったままの私に聞いて来た。
「家に帰んのかよ?」
「あ、うん。そのつもりだよ。奏は?」
「俺もそのつもり」
「あ、そうなんだ」
てっきり、寮に残るのかと。
でも、さすがにずっとここに閉じこもってるわけにはいかないもんね。



