問題児たちが集まるこのクラスで、唯一ちゃんと勉強しているのは彼と私のみ。


問題児じゃなさそうなのに、どうしてこの学校に来たのかはナゾ。


もしかすると、私と同じように何か事情があるのかも。



「それよりさ〜、食堂のアンパンが超絶品でさ!お前らも絶対食った方がいいって!」



ケイが飛びっきり可愛い笑顔を浮かべて仲間に言う。


みんな興味なさそうにそれを知らんぷり。


テンションやノリがバラバラなのに、よく仲良く出来るよね。


逆に尊敬するわ。


ケイなんて、どう考えてもケンカするようには見えないし。



「ところで、さっくはアンパン好き?今度、食堂に一緒に買いに行かね?」



「好きだけど、行かない」



肩にカバンをかけ、足速に教室を出る。


こうやって馴れ馴れしくされるのは、今に始まったことじゃないからもう慣れっこ。