「待てよ」
ーーガシッ
だけど、すぐに引き止められた。
「こんな中途半端なまま戻れるかよ。さっき言ったことって……マジ?」
「えっ……?」
や、やっぱり聞かれてたんだ……?
「俺のこと好きって言ったよな?マジ?」
うっ。
そんなストレートに聞くのはやめてくれ。
奏の真剣な表情にドキドキは大きくなるばかり。
ハチミツ色の髪と、緩く着崩したシャツの隙間から覗く鎖骨がやけに色っぽかった。
掴まれた腕に全神経が集中する。
「マ、マジ……だよ」
気付くと私は、素直にそう口にしていた。
真剣な奏を目の前にして、ごまかしきれなかったんだ。
「は?うそだろ……?冗談じゃねーよな……?」
「じょ、冗談なんかで言うわけないでしょ……」
あーもう!
なんでこんな可愛くない言い方しか出来ないかな。
せめて、もう少し可愛く言えたら良かったのに。



