声がした方から男子を掻き分けてヒョコッと姿を現したのは、今朝会った漆原さんだった。
目を潤ませている顔は本当に可愛くて、周りのヤンキーたちが押し黙って頬を赤らめている。
「げっ」
誰もが真っ赤になる中、奏が明らかに嫌そうな声を出した。
うんざりしているようなそんな表情。
やっぱり……知り合いなの?
「カナ君、久しぶりだね」
漆原さんは私や周りのヤンキーたちには目もくれず、ニコニコしながら奏だけをまっすぐ見つめている。
「ニューヨークに行ってたんじゃなかったのかよ」
「カナ君に会いたくて帰って来ちゃった〜!やっぱり、高校だけはちゃんと卒業しておこうと思って」
「まぁ勝手にしろよ。俺は関係ねーから」
「えー!冷たいな〜!将来一緒になる仲じゃーん!!」
漆原さんは可愛く微笑むと、迷惑そうな顔をする奏の腕に勢い良く飛び付いた。



