「入院中、時間が空いた時には病室に遊びに来てくれて。本当の息子みたいに可愛がってくれてさ」
奏は嬉しそうに笑っていた。
その笑顔を見ていると、心からお父さんのことを慕っているんだなってわかって嬉しかった。
「……そうだったんだ」
お父さんがそんな人だったなんて知らなかった。
愛情は感じたけど、仕事が忙しくてあんまり遊んでもらった記憶がなければ深い話をした記憶もなくて。
思えば、お父さんは忙しいながらも常にニコニコしてた気がする。
もっと色々話せば良かったって、今になって後悔した。
「一回だけさくらを連れて病室に来たこともあんだけど、お前は忘れてるしな」
「ええっ……!?うそ」
そんなの知らないよ。
全然覚えてない。
だって小学校1年生の時でしょ?
「俺は一目惚れだったっつーのに」
「えっ!?」
ひ、一目惚れ!?
うそでしょ?
「そのあとすぐに実家の近くの病院に転院したから、先生とはそれっきりだったんだけどな。けど、絶対また会いに来ようって決めてた」
力強い奏の瞳には、確固たる意志があるように見える。
まっすぐに見つめられて、ドキドキと心臓が高鳴り始めた。
「さくらにも絶対再会してやるって誓って生きて来たんだ。俺的には……将来立派になって、さくらを手に入れてから結婚の挨拶の時に先生と再会する予定だったんだけどな」
「えっ……?な、なにそれ」
け、結婚の挨拶……!?
話が飛躍しすぎてるんですけどっ!



