「あとで聞いた話、さくらと同い年だった俺の命を諦めたくなかったんだと。大切な娘と被って、必死だったっつってたぞ」
……お父さんっ。
私はソファーで寝てしまったお父さんに目を向けた。
ちょっと痩せた……?
ちゃんと食べてるのかって心配になる。
なぜだかわからないけど、お父さんを見ていると涙が込み上げて来た。
歯を食いしばって必死に耐える。
「左胸のこの傷は事故に遭った時のなんだ。この傷を見る度に、俺の命はたくさんの人に守られて繋がったモンなんだって思える。桐山先生には感謝してもしきれないほどの恩があんだよ」
奏のその言葉に、涙がブワッと溢れた。
ガマンしようとしても出来なくて、喉の奥が焼けるように熱くなる。
私は目に浮かんだ涙を指でそっと拭った。
奏が今生きてるのは、お父さんのおかげなんだね。



