「あの時助けてもらってから、立派になって必ずまた会いに来ようって決めてました。なので、今日会えて本当に嬉しいです」
奏は再びお父さんに頭を下げた。
なんだかよくわからないけど、話の流れでだいたいわかって来た。
奏は昔、お父さんに命を助けられたんだよね?
「そうか。いやぁ、本当に立派になって……。感慨深いというか、嬉しいよ。細くて折れてしまいそうだったカナ君が、ここまで逞しくなるなんて」
「いえ、まだまだです。まだ立派な男じゃないですけど、あれから前向きに頑張ってます」
奏って、敬語使えるんだ?
しかも、こんなにハキハキ喋れるんだ?
いつもの俺様っぷりはどこにいったの?
まるで別人みたいなんですけど。
「いや〜、本当に嬉しいな。さくら、ビールだ。カンパイしよう。な、カナ君」
「喜んで」
「いやいや……!奏は未成年だからっ!」
奏も『喜んで』とか言ってる場合じゃないって。
「いいじゃないか、めでたい日なんだから」
普段、お父さんはこんなことは絶対に言わない。
どちらかというと止める役なのに、奏との再会がよっぽど嬉しかったんだろう。



