「言っとくけど、寝る部屋は別だからね!」



「はぁ?なんでだよ?」



「当たり前でしょ!今までが異常だったんだから!」



「ムリ。俺、さくらが一緒じゃねーと寝れねーもん」



本当にね、こういう時の奏は子どもみたい。


『寝れねーもん』って!


こっちは奏がいたら寝れないっつーの!



「あれ?」



家が近付いて来たところで、玄関周りのライトがついていることに眉をひそめる。



「どうした?」



「いや、ライトがついてるなぁって」



それによく見ると、ガレージのシャッターが開いていた。



疑問に思いながらも、私たちは家の前までやって来た。



ガレージの中を恐る恐る覗くと、1台だけ車が停まっていて。


ちょうど誰かが下りて来たところだった。



「さくらか?」



「お、お父さん……?」