すかさず腰に手が回され、ピタッと密着するように寄り添い合う。
男らしい体と奏の体温に、ドキドキしすぎておかしくなりそう。
「ちょ、は、離してよ」
「ムリ。さくらから甘い匂いがすんだけど」
クンクンと鼻を髪に擦り付けて来る奏に、ドキンドキンと胸が高鳴る。
「そろそろいいだろ?俺、もうガマンの限界なんだけど。マジでさくらを食いたい」
「なななな、なに言ってんのよ……っ!いいわけないでしょーが!」
だいたい、私たちは付き合ってもいないわけで。
そんな発言が飛び出すこと自体おかしいんだからね。
「なんでだよ?こんなに好きなのに、さくらはいつになったら俺を好きになるわけ?」
「…………」
やめてよ、そんな真剣に言うなんて。
ドキドキが止まらなくなるじゃん。