それでも、今は奏の手の温もりが心地良くて。
安心感が胸に広がって行く。
ひとりだったら、きっともっと疎外感を感じて寂しかったはずだから、奏がいてくれて良かった。
「大切な仲間なんだろ?今は違う道にいるかもしんねーけど、お互い大切に思ってりゃそんなんで崩れたりしねーよ」
ギュッと手を握られて、心の奥を優しく溶かす。
なんでだろう。
奏の仕草や言葉ひとつひとつがすごく胸に染み渡る。
「奏はごくたまーに、まともなことを言うよね。しかも、言ってることがなんか大人だし」
ビックリするくらい核心を突いてるから、いつも驚かされるんだ。
適当人間だって自分で公言してるような人がね。
「人生は、自分次第でどうにでも出来る!が俺のモットーだからな」
「な、なにそれ。なんかオヤジくさっ」
「なんだと、テメー」
手を引っ張られた私は、奏の方に向かってよろめいた。



