「そーだそーだ!俺にもヤらせろ!」
ヤ、ヤら……?
「つーか、この後授業あんの?ダリーから、もう帰ろうぜ」
面倒臭そうに口を開いたのは、オレンジ色の髪をした典型的な不良っぽいナリをした男の子。
耳や鼻にピアスが付いてて、首元や腕にもジャラジャラアクセサリーが付いてる。
怖く見えるけど、垂れ目のせいか雰囲気が和らいで見えた。
シュッとした小顔で、ケイ同様かなり目立つ容姿。
悔しいけど、かなりカッコ良い。
「いやいや。帰ったところで、行くとこねーだろ」
この中では珍しく黒髪の知的っぽい青年風男子が、呆れたようにため息を吐く。
シュールで、どこかミステリアスな雰囲気を持っている彼。
うん。
文句なしのイケメン。
「まぁ、そうだな。軟禁状態だし。コンビニもねーとかありえねー。あ!」
オレンジがあからさまに落胆してみせる。
だけど何かを閃いたのか、すぐに表情が明るくなり目の色を変えた。
「ヒマ潰しに、3年の頭を潰しに行こうぜ。結構強えって有名だし」
「なら、奏(かなで)も一緒じゃなきゃムリだろ。一応、俺ら1年のトップなんだし」
「はぁ?奏がいなくても、俺らだけで十分だ」
「いやいや、勝手に動いたら面倒臭いことになりかねない」
たくさんの言葉が飛び交うのを、私は呆然と聞いていた。
今まで知らなかった世界がここにある。
これまで、どれだけ平凡な人生を送って来たんだろう。



