「ここは?」
ようやく目的地にたどり着き、奏が首を傾げながら私に問う。
「私の家」
住宅街の中でも、周りの家よりかなり広い敷地の中にある大きな一軒家。
シャッター付きのガレージの中には、お父さんとお母さんがそれぞれ愛用している高級車が2台停まっている。
今日は2人とも当直だって言ってたから、停まっていないと思うけど。
やっぱり家に帰って来ると、両親の顔が見たくなっちゃった。
今まで1ヶ月以上も会わないことなんてなかったもんね。
……寂しいな。
なんて。
「さくら?ねぇ、さくらでしょ?」
家の前に突っ立っていると、後ろからテンション高めの声が聞こえて振り返った。



