しばらく並んでようやく順番が来た。
席に着くなり私は奏の顔をじっと見つめる。
お店に入っても、奏はサングラスを外そうとせず明らかに周囲の視線を集めている。
「本当はカナなんでしょ?」
小声でボソッと言った。
だって、さっき女子たちがメンズモンモンって言ってたし。
「俺のこと知ってんの?」
奏も同じようにボソッとつぶやいた。
そして、サングラスを少しだけズラして私の目をまっすぐに見つめる。
「モデルをやってたっていうウワサは、聞いたことがある」
でも、実際に奏が載ってる雑誌を見たことはない。
中学の時、友達がキャーキャー言ってたような気もするけど、まったく興味がなかった私には無縁だった。
「やっぱさくらには敵わねーな。中学ん時、メンズモンモンのモデルやってて。その中にシャイboyっていうグループがあって、そこの一員だったんだよ」
「へえ」
シャイboyって。
ぷっ。
全然シャイじゃないんですけどっ!
思わず笑いが込み上げた。
メンズモンモン、ネーミングセンスなさすぎでしょ。
「お前、今合ってなさすぎって思っただろ?」
「あはは!だって、本当にそうだもん」
私は堪えきれなくなって思いっきり笑ってしまった。



