「ねぇ、あれってカナじゃない?」
「え?カナ?でもこんなところにいるはずないよ」
「話しかけてみる?カナだったら、一緒に写真撮ってもらおうよ〜!」
「でも、女連れじゃん。違ったらどうすんのよ」
周囲の女の子達から飛び交う会話に、私は思わず聞き耳を立てる。
カナ……?
誰?
「さくら、さっさと行くぞ」
「え?あ、うん」
奏はサングラスをかけると、私の腕を掴んで引っ張った。
まるで周囲の女の子達から逃げるようにして、私の意思とは無関係にどんどん進んで行く。
「ちょ、ちょっと!早いってば」
「え?ああ、悪い」
小走りになっていた私に気付いて、奏はハッとして歩くスピードを緩めた。
サングラスをかけていても、奏からはたっぷりの色気が放出されていて。
通り過ぎて行く女の子達が振り返って見ている。



