「こっち向けって。じゃなきゃ、俺が無理やり覗き込む」
「ちょ、やめてよ」
覗き込んで来ようとする奏に、私は必死で抵抗した。
今見られたら、真っ赤になってるのがバレちゃう。
絶対からかわれるに決まってるんだから。
「お願いだから放っておいて」
「ムリだし。さくらの顔が見てーんだよ」
「ちょ、ちょっと」
必死に見られないようにしたけど、私の抵抗は無意味に終わった。
肩を掴まれ、無理やり奏の方を向かされたのだ。
最悪。
本当に最悪。
バカにされてからかわれるんだ。
そう思っていたけど、奏は私の顔を見るなり固まってしまった。
ビックリしたように目を見開いている。
「な、なによ。失礼な奴」
人の顔を見て固まることなくない?



