ドギマギして窓ガラスに映る奏から逃げるように下を向く。
ドキンドキンと胸が高鳴って落ち着かない。
「照れてんの?」
「そ、そんなわけないでしょ」
図星を指されてドキッとした。
だから思わず噛んでしまった。
そんな私に奏がクスッと笑ったのが気配でわかる。
否定したって、やっぱり奴には全てお見通しみたい。
余裕のある態度にモヤモヤが大きくなって行く。
普通にしないでよ。
私だけがドキドキしちゃって、バカみたいじゃん。
「じゃあ俺の顔見ろよ」
「や、やだよ」
「さくら」
耳元で囁かれて、思わず背筋がゾクッとした。
近くに感じる奏の気配に、ゴクリと息を飲む。
ダメだ。
意識しすぎだよ、私。



