「なら俺も残る」
「なんで?私のことは気にせずに帰ればいいじゃん」
私だって、たまにはひとりになりたいし。
「ムリ。そんなに長い間、さくらと離れるのは耐えらんねー」
「たった1週間じゃん」
「俺には1年のように感じる」
「…………」
どんだけ私のことが好きなんだよ。
どうやったらそこまで好きになれんの?
私にはやっぱり、桐生奏という奴が理解出来ない。
「でもまぁ、1週間って長いもんね。その間校舎にも入れないとなると、かなりヒマだな」
周りには何もないし、熊が出るかもしれないから敷地内から出る勇気もない。
だからといって、ずっと勉強をするのもどうかと思うし。
こんなところで1週間も監禁生活を送らなきゃならないなんて。