赤い跡の上に、奏の唇が優しく触れる。


触れられているところがジンジン熱くて、落ち着かない。



「ひゃあ!なななな、なに……!?」



今、ヌメッとした感触が腕に……っ。



「なにって。舐めただけ」



「なななな、舐め……っ」



「減るもんじゃねーし、別にいいだろ」



「よ、よくなーい!」



やっぱり奏は俺様で強引な奴だ。


ちょっとでもドキッとした自分がバカみたい。



キッと睨み付けてやると、奏は柔らかくフッと口元を緩めて笑った。


そして、ゆっくり私の手首から唇を離す。



「けどさ」



そのまま指を絡め取られ、手を繋がれる形になった。