「やべ、嬉しすぎる」
な、なに?
なにニコニコしちゃってんの?
なんでそんなに嬉しそうなのよ?
「た、単純すぎる」
たったそれだけのことで、ここまで喜ぶ?
「男はみんな、惚れた女に弱えんだよ」
「……っ」
うっ。
ムダに色気を放つのはやめて。
その顔で、そんなことを言うのは反則だからっ。
「赤くなってんな、あいつに握られたとこ」
「えっ?」
奏は私の手を取ると、途端に笑顔を消してそこを見つめた。
あ、さっき3年の男にキツく握られたから。
握力がありすぎたのか、手首にくっきり赤い跡が残っている。
「あいつ、やっぱボコボコにしてやれば良かった。女の体に傷を残すなんて」
「だ、大丈夫だよ、これくらい何ともないから」
3日もすれば、跡も綺麗に消えるはず。



